トレンドフォローの基本は「押し目買い・戻り売り」だ。しかし、どこまで押したらエントリーすべきか、どの水準まで待つべきかの判断に迷うトレーダーは多い。深すぎる押し目はトレンド転換の始まりかもしれないし、浅すぎる押し目はそもそもエントリーチャンスにならない。
この記事では、押し目買い・戻り売りのエントリーを記録し、データ分析でタイミングの精度を上げる方法を解説する。
押し目・戻りの記録に必要な項目
トレンドの状態を定量化する
押し目買いの前提は「上昇トレンドが継続中」であること。しかし「トレンドが出ている」の判断は主観に偏りがちだ。記録では以下の定量的指標を使ってトレンド状態を記録する。
- 移動平均線の方向:20EMAと75EMAの両方が上向きなら上昇トレンド、両方下向きなら下降トレンド
- 移動平均線の配列:短期 > 中期 > 長期の順(パーフェクトオーダー)かどうか
- 直近の高値・安値の切り上げ/切り下げ:高値と安値がともに切り上がっているか
- ADXの値:25以上ならトレンド相場、20以下ならレンジ相場の可能性
押し目の深さを記録する
押し目の深さは、直近の上昇波に対するフィボナッチリトレースメントで測定する。38.2%戻し、50%戻し、61.8%戻しのどの水準まで押したかを毎回記録する。
- フィボナッチ戻し率:直近スイングの何%まで戻したか
- 移動平均線までの距離:20EMAや75EMAにタッチしたか
- サポートラインとの一致:水平線や前回高値と押し目が一致しているか
- 押し目形成にかかった時間:何本のローソク足で押し目を形成したか
データで見る「最適な押し目の深さ」
浅い押し目(23.6%-38.2%)のパターン
強いトレンドの場合、押し目は浅い。38.2%も戻さずに再上昇するケースは、トレンドの勢いが強い証拠だ。ただし、浅い押し目でのエントリーは損切り幅を狭くしにくいというデメリットがある。直近高値からの距離が近いため、損切りを高値の上に置くとリスクリワードが悪化する。
記録で「フィボナッチ38.2%未満でエントリーした場合」のリスクリワード比と勝率を集計し、利益が出る手法かどうかを検証する。
中程度の押し目(38.2%-50%)のパターン
多くのトレーダーが狙う「ゴールデンゾーン」と呼ばれる領域。38.2%から50%の間の押し目は、トレンド継続の可能性が高く、かつ損切り幅も適度に確保できるバランスの良い水準だ。移動平均線がこの水準に位置していることが多く、複数の根拠が重なりやすい。
深い押し目(50%-61.8%)のパターン
61.8%まで戻す場合、トレンドの勢いが弱まっている可能性がある。ただし、61.8%で反発すればリスクリワード比は非常に良くなる。損切りを61.8%の少し下に置き、利確を直近高値に設定すると、リスクリワードが2:1以上になることが多い。
記録では「50%以上戻した場合の勝率」と「50%未満の戻しの勝率」を比較し、自分のトレードスタイルに合った基準を見つける。
ケーススタディ:押し目買いの成功と失敗
成功例:移動平均線とフィボナッチが一致
USDJPY 4時間足。上昇トレンド中、150.00から152.00まで上昇後、151.20付近まで押し目を形成。この151.20は直近上昇のフィボナッチ38.2%戻しであり、かつ上向きの20EMAと一致していた。151.20でロングエントリーし、損切りを150.80(フィボ61.8%の下)に設定。152.50まで到達し、リスクリワード比3.25:1で利確。
記録のポイントは「フィボナッチと移動平均線の一致」「トレンド指標がすべて上昇方向」の2点。複数根拠が重なるエントリーは勝率が高いことが、データで確認できた。
失敗例:深すぎる押し目はトレンド転換
EURUSD 1時間足。上昇トレンド中と判断し、1.0900から1.0800まで下落した局面で61.8%戻しの1.0835付近でロングエントリー。しかし1.0835を一時的に上回った後、再び下落し、1.0780まで到達して損切り。後から見ると、トレンドは既に転換していた。
このケースの反省点は「ADXが18まで低下していた(トレンド弱まり)」「移動平均線のパーフェクトオーダーが崩れていた」の2点。トレンド状態の確認が不十分なまま押し目買いを行った結果だった。