「勝率を上げなければ」と思い込んでいるトレーダーは多い。しかし実際には、勝率40%でも月間プラスにすることは可能だ。カギはリスクリワード比率(RR比)にある。
この記事では、RR比の基本から計算方法、勝率との関係、そして自分のRR比を改善する方法まで、データとともに解説する。
リスクリワード比率(RR比)とは
リスクリワード比率とは、1回のトレードで狙う利益と、許容する損失の比率だ。
RR比 = 平均利益 ÷ 平均損失
- RR比 1:1 → 利益10pips、損失10pips(利益と損失が同じ)
- RR比 1:2 → 利益20pips、損失10pips(利益が損失の2倍)
- RR比 1:3 → 利益30pips、損失10pips(利益が損失の3倍)
RR比が高いほど、1回の勝ちで複数回の負けをカバーできる。つまり、勝率が低くても利益が残る構造を作れる。
RR比と勝率の「損益分岐点」
RR比ごとに、利益を出すために必要な最低勝率がある。これを知っておくだけで、自分のトレードが構造的に利益を出せる状態かどうかを判断できる。
損益分岐点の一覧
- RR比 1:1 → 必要勝率 50%超
- RR比 1:1.5 → 必要勝率 40%超
- RR比 1:2 → 必要勝率 34%超
- RR比 1:3 → 必要勝率 25%超
RR比1:2であれば、勝率が34%を超えるだけで利益が出る。つまり3回に1回勝てば十分だ。多くのトレーダーが勝率50%以上を維持しているにもかかわらず負けている理由は、RR比が1:1を大きく下回っている(コツコツドカン状態)からだ。
RR比の目安:トレードスタイル別
スキャルピング
RR比 1:1〜1:1.5。数pipsの利幅を狙うスキャルピングでは、RR比を大きく取ることが難しい。その分、高い勝率(60%以上)が必要になる。
デイトレード
RR比 1:1.5〜1:2。デイトレードの一般的な目標。損切り10〜20pipsに対して利確15〜40pipsを狙う設計が多い。
スイングトレード
RR比 1:2〜1:3。数日〜数週間の保有で大きな値幅を狙うため、RR比を高く設定しやすい。勝率が40%程度でも十分に利益が出る。
自分のRR比を計算する方法
過去のトレード記録から、以下の2つの数値を出すだけだ。
- 勝ちトレードの平均利益額(円またはpips)
- 負けトレードの平均損失額(円またはpips)
例:過去30トレード
勝ち18回 → 平均利益 +8,500円
負け12回 → 平均損失 -12,000円
RR比 = 8,500 ÷ 12,000 = 0.71(つまり1:0.71)
この例では、利益が損失の0.71倍しかない。勝率60%でも月次収支は +8,500×18 - 12,000×12 = +153,000 - 144,000 = +9,000円。かろうじてプラスだが、勝率が少しでも下がるとマイナスに転じる脆い構造だ。