ロンドンフィキシング(London Fix)は、毎日ロンドン時間16時(日本時間翌1時、夏時間は翌0時)に行われる為替レートの基準値決定だ。この時間帯には大口の実需フローが集中し、通常とは異なる値動きが発生する。特に月末や四半期末のフィキシングは、大きなフローが入りやすく、トレードチャンスになり得る。
この記事では、ロンドンフィキシングの仕組みとトレード記録のポイントを解説する。
ロンドンフィキシングとは何か
基準レート決定の仕組み
ロンドンフィキシングは、WM/Reutersが算出する為替基準レートだ。ロンドン時間16時を中心とした5分間の取引データ(15:57:30-16:02:30)の中央値が基準レートとなる。この基準レートは、年金基金・投資信託・企業の外貨建て資産評価やリバランスに使用される。
基準レートが使われる場面が多いからこそ、この時間帯に大量の実需フローが集中する。機関投資家がポートフォリオのリバランスのために「フィキシングで買う」「フィキシングで売る」と決めている場合、その注文がこの5分間に集中するのだ。
なぜトレードチャンスになるのか
通常のFXトレードは投機的な売買が中心だが、フィキシング前後は実需のフローが加わる。実需フローは価格に関係なく執行される(特定のレートで買いたいのではなく、フィキシング時点で買う必要がある)ため、一方向への強い動きを生みやすい。
フィキシング前後の値動きパターン
パターン1:フィキシング前の一方向の動き
フィキシングの30分から1時間前に、フィキシングフローを見越した投機的なポジションが入る。たとえば月末に米ドル買いのフィキシングフローが予想される場合、先回りしてドル買いポジションを取る参加者がいるため、フィキシング前からドルが上昇し始める。
記録では「フィキシング60分前からの方向」と「フィキシング時点の方向」が一致したかどうかを記録する。一致率が高ければ、フィキシング前のフロー方向がフィキシング時の方向を示唆していることがデータで確認できる。
パターン2:フィキシング後の反転
フィキシング時点でフローが完了すると、先回りしていた投機ポジションが手仕舞いされる。その結果、フィキシング直後に反転する動きがよく観察される。たとえば、フィキシングに向けてドル買いが進み、フィキシング通過後にドル売りに転じるパターンだ。
記録では「フィキシング通過5分後の方向」と「フィキシング前の方向」が逆転したかどうかを追跡する。反転率が高ければ、フィキシング通過後の逆張り戦略が有効かもしれない。
パターン3:月末フィキシングの増幅効果
月末(特に月の最終営業日)のフィキシングは、月次のポートフォリオリバランスフローが集中するため、通常日のフィキシングよりも値動きが大きくなる傾向がある。四半期末(3月、6月、9月、12月)はさらに大きなフローが発生する。
記録では日付を「月末/通常日」「四半期末/通常月末」に分類し、それぞれの平均値動き幅を比較する。
記録すべきフィキシングトレードの項目
- 日付と種類:通常日/月末/四半期末/年末を分類
- 通貨ペア:フィキシングの影響はGBPUSDやEURUSDで特に顕著
- フィキシング前60分の方向:上昇/下落/横ばい
- フィキシング前60分の値動き幅:何pips動いたか
- フィキシング後30分の方向:反転したか継続したか
- エントリー時刻:フィキシングの何分前にエントリーしたか
- 決済時刻:フィキシング通過何分後に決済したか
- 損益:pipsと金額